使用人の渡部が辞職した。物心つく前から二宮家に仕えていた彼を、私は「おじ様」と呼び慕っていた。渡部が去って数年。私は結婚することになり、どうしても渡部に報告したくなった。住所を頼りに訪ねてみると、そこは見るも無残なボロ屋敷…。散らかり放題の部屋に迎え入れてくれたのは、変わり果てた渡部であった。彼の心の闇に、…私はこの時気付くことができなかった。
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